CLUB Pretty WOMAN
プリティーウーマン

あれやれ
これやれ
なんで出来ないんだ!
そうどなるだけの上司は
いくらでもいる
うちの店長は
一件冷たい
( •̅_•̅ )笑
私やめます!
って言ったら
あ、どーぞ
っていうタイプ
去るもの追わない笑
しかも
激太りしてた時
横を歩く度
『どすん、どすん』
って言ってくる(笑)
赤と黒の
体にリボンを
巻いたようなドレスを
着た際は
『プロレスラーみたい』
と言ってくる
始末である✋
本人は小学生のような
無邪気な笑顔であった
実は嫌いだった(笑)
デリカシーのない人だ
と。
それでも
1年くらいかな?
プリティを続けていく
ようになって
朝比奈には
3ヶ月ほど
空白の時期がある
出勤こそしていたものの
自分がどう
売り出して
いけばいいのか
わからずにいた
次第にランキングから
落ちていく日々
ヘルプ周りの
お客様ばかりで
出勤も休むようになった
レッスンも
さぼりがちになった
ある日面談がきた
りえ、
ちょっと話がある
その時怒られるかと
思っていた
売上のないやつなんか
いなければいいと
自分が一番思うからだ
遊びではないから。
仕事なのだ
頑張っている人なら
わかるけど
朝比奈は年齢も
上なのに
売上が落ちていく
プライドの高さと
惨めさが
現実と
向き合うことを
避けていた
逃げていたのだ
でも店長は
最近どうよ?
言葉につまる朝比奈に
これからどうしたら
いいか
朝比奈を
客観的かつ
データでみた
朝比奈の強み
どこを伸ばせばいいか
今後を見すえた目標
を記してくれた
それに
こう言ったのだ
『不安なことや
聞きたいことがあれば
いつでも聞いたらいい
辞めたいなら辞めればいいし
そんなやつは止めないけど
この会社は
頑張る人を
応援してくれる
頼ればいい
俺らはりえの味方だから』
そして1番気にしていた
年齢についても。
👦『年齢が上ということは
若い子にはない
圧倒的経験が
あるっていう事だ』
👩『でも夜歴は今いる若い子たちの方が上です』
『人生の経験は
りえの方が長い
それだけ色んな年代の人と
話せるはずだ』
もやもやがすっと
無くなった瞬間だった
朝比奈にとって
プリティウーマンは
昼職の時
落ち込んだ
交差点の帰り道
通りがかった
トラックに
書かれた
『2年で人は変われる』
人間関係で悩み
デブで可愛くもない
嫌いな自分を
すきになりたかった
でも夜を始める勇気はなくて
なんやかんや
正社員とバイトを
かけもちして
昼を辞めたタイミングで
知人の手伝いから
始めた
夜の仕事
次第にのめり込み
朝キャバ時代を得て
自分を変えたい。
プリティウーマンの
扉をたたいた
売上が
無ければ干されるだろう
プリティウーマンは
高級キャバクラである
面接に受かったものの
はっきりものをいう
店長が苦手だった
でも
この日
味方が居ない
1人で頑張らなきゃ
売上が無かったら
必要とされない
そう自分を
思い詰めて
出来ることは
場内を死ぬ気で取りに行き
必ず食事の約束を
取り付けること
最初は同伴数が伸びて
来客も増えた
しかし
コロナ禍の影響により
安定して通ってくれていた
出張族や
年配のお客様の足が
遠のいたのだ
朝比奈は
若い子より
年配のお客様が好きだったし
得意だった
可愛がられる孫
タイプだったから。
このロリ顔も受けた
しかし
客層がかわり
売上もさがり
それまで固定のお客様に
頼りきりだった朝比奈は
成すすべがなかった
次第に自信を
なくして言った
ダイエットも
リバウンドした
ここまでくると
もう笑うしかない(笑)
でも
最近知ったんだよね
実は朝比奈
面接を受けた日
落ちていたのだ
プリティウーマンは
スタイルと顔重視である
面接はかなり厳しい
毎月多くの
面接があり
受かるのは極わずかだった
デブだった朝比奈も
例外ではない
しかし
店長が
あの子いいと思いますけどね
この一言で
わたしは
受かったんだと知った時
苦手だと
思っていた1年前の私を
しばきたいと思った
勝手に自信なくして
自暴自棄になった
自分を悔やんだ
リバウンドした自分も
悔やんだ(笑)
プリティに入って
すぐの時
まずは痩せよう!
から入って
10キロ痩せたけど
めまぐるしく
空くシャンパンの数々
ランキングが上がらない
歯がゆさ
自分の思うように行かない
いらつきに
リバウンドは
加速していった
でも
あの話し合いから
自分のやるべきことが
明確になり
自分のやらなきゃ
行けないことを再確認し
やったことないやり方
確かに目先の数字を
おうやり方より
繋がった後のことを
思い行動してきたこの
数ヶ月
また痩せてきて
同伴も
組めるようになって
ファンが出来て
コロナ禍にもかかわらず

たくさんの賞を
表彰して頂き
憧れのお姉さんと同じ
目標だった同伴賞も
達成した
これは
りささんという
わたしの目標の
お姉さんがいるのだが
1ヶ月ほぼ
同伴する同伴女王だった
プリティでは
ポイントスライド式に
なっており
約3万のシャンパン分の
ポイントが同伴する
もらえるのだ
りささんは必ずトップ5には
入っていた。
りえはまだ1週間しか
同伴連続で出来なかったが
最終目標はそこである
たくさんの賞を
いただき
朝比奈の中では
過去最高額に達した
余韻に浸りながら
店長と話している時
俺があの時
言ってよかったって
思ったって
わたしも
鼻がつんとする思いで
その話を聞いていた
店長のあの一言が無ければ
インスタナンバー1賞を
とることも
こんな売上をあげる日を
迎えることもなかっただろう
最高の上司とは
ここぞというとき
地に足をつけ
ぶれずに
的確なアドバイスと
本人を全力で受け止めてくれる
そんな器をもたねばならない
たとえ育てても
育ててもすぐ辞められる
そんな日が続いたって
信念は曲げない
そんな上司が
朝比奈には
必要だったし
味方がいる
頼ってもいい人がいる
そう思えた事で
認められたい
褒めて欲しい!
もっと頑張りたい
頑張る私でいたい
と
腐らずに済んだのである
なにごとも
自分次第だが
環境はもっと大切である
朝比奈
朝比奈りえ(33)

